山形県尾花沢市にある養泉寺は、歴史と文化、そして信仰が交差する魅力的な場所です。
養泉寺のご本尊である聖観世音菩薩は、ご利益は「諸願成就」とされ、多くの人々に信仰されています。
養泉寺は、そのご利益もさることながら、松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で滞在した場所としても有名です。
さらに、養泉寺周辺には松尾芭蕉の句碑や銀山温泉、尾花沢そば街道など、観光スポットも充実しており、見どころがたくさんです。
歴史ある養泉寺で心を癒し、周辺の観光地で尾花沢の魅力を堪能する旅はいかがでしょうか?
この記事では、養泉寺のご利益や見どころ、松尾芭蕉と尾花沢などを詳しくご紹介します。
養泉寺のご利益やご本尊は?
養泉寺は「尾花沢観音」と親しまれる最上三十三観音の第25番目の礼所です。
尾花沢市内にある6つの札所のうち、市街地にあるのはここだけで、松尾芭蕉が滞在したところで有名なお寺です。
ご利益と背景
養泉寺のご本尊「聖観世音菩薩」は、諸願成就のご利益で知られる仏様です。
慈覚大師が彫刻し祀ったとされる聖観世音菩薩は、困難にある人々を救うため33の姿に変化し、さまざまな功徳を与えるとされています。
そのため、古くから日本各地で信仰を集め、特に尾花沢では安産や子育て安全、そして心の平安をもたらすご利益を持つ仏様として多くの参拝者に親しまれています。
養泉寺が祀るこの菩薩には、地域の平穏を守る役割もあります。
昔、尾花沢一帯を悩ませていた毒虫を絶滅させたという逸話は、仏様のご利益の深さを象徴しています。
この出来事を機に、遠方からも参詣者が増え、人々の信仰を集める地となりました。
ご本尊にまつわる歴史と起源
養泉寺のご本尊「聖観世音菩薩」には、深い歴史と特別な起源があります。
伝承によると、慈覚大師が尾花沢を訪れた際、地域を悩ませていた毒虫を退散させるため、自ら椋の霊木を伐り、その木で観音像を彫刻しました。
この観音像を祀り祈願したことで害虫が消え、地域は平穏を取り戻したと言われています。
この出来事をきっかけに、多くの人々が養泉寺を訪れ、観音像を信仰するようになりました。
その後、養泉寺は格式の高い寺として栄えましたが、明治維新の影響で衰退してしまいます。
さらに1895年には火災で本堂を失うという苦難に見舞われました。
しかし、1897年に再建された本堂にご本尊が安置され、今日まで信仰の対象として大切に守られています。
再建された本堂からは、伝統的な木造建築の魅力が伝わります。
養泉寺の見どころ
明治30年(1897年)に再建された本堂は、伝統的な木造建築の美しさが特徴です。
寄棟造りで白漆喰の外壁と板張りの腰壁が見事に調和し、歴史的な趣を感じさせます。
本堂に安置されているご本尊の聖観世音菩薩像は、慈覚大師が彫刻したと伝えられる貴重な仏像で、訪れる人々に安らぎを与えています。
また、養泉寺は松尾芭蕉ゆかりの地としても知られています。
境内には芭蕉が詠んだ「涼しさを我が宿にしてねまる也」の句碑「涼し塚」があります。
養泉寺芭蕉句碑は尾花沢市指定文化財となっています。
さらに、芭蕉と豪商・鈴木清風の連句碑も設置され、芭蕉と鈴木清風の交流の深さが想像できます。
最上三十三観音の第25番札所として信仰を集める養泉寺は、歴史、建築、文学が交差する空間と言えるでしょう。
松尾芭蕉が尾花沢で過ごした日数
彼の代表作『おくのほそ道』には、多くの名句が刻まれています。
その旅路の中で、松尾芭蕉が特に長く滞在した場所の一つが山形県尾花沢市です。
松尾芭蕉は尾花沢に10日間滞在しており、この期間のうち7泊を養泉寺で過ごしました。
10日という滞在は『おくのほそ道』の旅全体を通して異例の長さで、松尾芭蕉にとって尾花沢がいかに特別な場所だったかが分かります。
松尾芭蕉が尾花沢を訪れた背景には、豪商・鈴木清風との親しい関係がありました。
清風は松尾芭蕉が心身を休められるよう手厚くもてなしたと伝えられています。
養泉寺の境内には、松尾芭蕉が詠んだ句「涼しさを我宿にしてねまる也」を刻んだ句碑「涼し塚」も残されており、当時の情景に触れることができます。
松尾芭蕉は尾花沢で4つの俳句を詠んでます!
養泉寺周辺の観光スポット
養泉寺の周辺には、訪れた際にぜひ立ち寄りたい観光スポットが数多くあります。
「芭蕉・清風歴史資料館」は、松尾芭蕉と尾花沢の深い関わりを学べる施設で、養泉寺から徒歩圏内にあります。
俳句や歴史に興味がある方にはぴったりの場所です。
さらに、銀山温泉は大正ロマン漂う温泉街として知られ、国内外から多くの観光客が訪れる尾花沢市の人気スポットです。
美しい温泉街を散策しながら心も体も癒されるひとときを過ごせます。
また、尾花沢市は「そば処」としても有名で、「尾花沢そば街道」では本格的な手打ちそばを楽しめます。
徳良湖では、サイクリングやパークゴルフ、キャンプなど、多彩なアクティビティが家族連れやアウトドア愛好者に人気です。
そして、芭蕉が越えた「山刀伐峠」では、整備された歴史の道「おくのほそ道」をたどることができます。
尾花沢市の観光は、老若男女に親しれています!
養泉寺のアクセス
〒999-4232 山形県尾花沢市梺町2丁目4−6
開所時間(参拝時間):午前8時〜午後5時
季節や天候によって開所時間が変更される場合がありますので、訪問前に確認することをお勧めします。
車やタクシーで行く場合
・山形駅から車で・・・・・・・・・・・約60分
・大石田駅から車で・・・・・・・・・・8分
公共交通機関を利用して行く場合
・東京から山形新幹線で大石田駅まで・・・・・3時間30分
・山形駅からJR奥羽本線で大石田駅まで・・・・50分
・大石田駅より銀山線で中町駅まで・・・・・・10分
・中町駅より徒歩で・・・・・・・・・・・・・7分
まとめ
養泉寺は、松尾芭蕉と尾花沢の歴史的な結びつきを感じられる特別な場所です。
そのご本尊である聖観世音菩薩は、慈覚大師の祈りが込められた尊い存在です。
訪れる人々に諸願成就のご利益をもたらしています。
また、明治時代に再建された美しい本堂や、境内に残る芭蕉の句碑など、歴史と文化の魅力が詰まっています。
尾花沢市内には、銀山温泉や芭蕉ゆかりの資料館、自然豊かな観光スポットも点在しております。
養泉寺を拠点に巡る旅は心と体を癒すひとときとなるでしょう。
尾花沢の魅力を体感できる養泉寺を訪れれば、きっと特別な思い出が生まれるはずです。
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