山形県の豊かな自然と歴史に触れながら、心癒される巡礼の旅を楽しめる「最上三十三観音」。
この霊場は、村山地方と最上地方に点在する33箇所の観音菩薩を巡るルートで、参拝者に安らぎと祈りの時間を提供しています。
この記事では、最上三十三観音の巡礼コースや、由来、巡礼の心得など、初心者の方でもわかりやすいように詳しくご紹介します。
また、巡礼の際に役立つおすすめの回り方や難所の対策、地元の魅力が詰まった立ち寄りスポットも合わせて解説。
御朱印集めを目的に訪れる方にも、各札所でいただける特別な御朱印の魅力をお伝えします。
祈りの旅だけでなく、山形の文化や風景を楽しむ観光としても充実した時間を過ごせるのが最上三十三観音の魅力です。
この記事を参考に、巡礼の計画を立ててみてください。
最上三十三観音の巡礼コースと順番
最上三十三観音の札所を巡る順番は特に決まっていません。
周りやすい礼所から巡っていきましょう!
ちょっとずつ季節ごとに巡ることで、山形の四季を楽しむことができるでしょう。
一気に全て巡礼を希望したり、遠方より足を運ばれる方は、以下のコースがお勧めです。
二泊三日で巡る最上三十三観音
【1日目】
①若松→②山寺→③千手堂→④圓應寺→⑧六椹→⑤唐松→ ⑥平清水→⑦岩波→⑨松尾山
⑩上ノ山→⑪高松→⑫長谷堂→⑬三河村⑭岡村→⑮落裳→⑯長岡→⑰長登→⑱岩木
上山・東根・天童温泉に宿泊
【2日目】
⑲黒鳥→⑳小松沢→㉑五十沢→㉗深堀→㉖川前→ ㉙大石田→㉘塩ノ沢→㉕尾花沢→
㉔上ノ畑→㉓六沢→㉒延沢→㉚丹生村
銀山温泉・赤倉温泉・瀬見温泉宿泊
【3日目】
㉛富沢→(番外)世観→㉜太郎田→㉝庭月→結願
難所は?
最上三十三観音は自然豊かな山形の山々に位置する礼所が多く、難所とされる場所が2箇所ほど存在します。
【長谷堂観音】
県庁所在地の山形市に位置しますが、郊外にある西の丘陵、標高229mの小高い山の上にあります。
急な坂道などが続き、山道は15〜20分ほど続きます。
1番の難所と言われております。
【小松沢観音】
山形県の北部村山市に位置します。
約1.5キロの山道を登り、さらに164段の石段をあがらなければいけない、というこちらも山の頂上にあります。
最上三十三観音の由来
最上三十三観音巡礼の背後には、光姫という女性の物語が存在します。
光姫は、斯波兼頼の五代目である頼宗の一人娘として生まれ、美しさと仏心を持つ女性でした。
庭月領主の横川大膳国影は光姫に恋をしますが、身分の差により縁談は門前払いにあいます。
光姫は結婚後も繰り返される、大膳からの執拗な恋慕と略奪未遂に巻き込まれます。
その結果、大膳が処刑される悲劇を経験するのです。
この事件が彼女の心に影を落とし、仏門に入る決意を固めさせました。
光姫は乳母や尼僧と共に男装して城を抜け出し、観音霊場を巡礼する旅に出発します。
巡礼中、不思議な出来事や多くの試練を乗り越え、最終的に全33の札所を巡ることに成功しました。
その後、山寺を住処とし、隠棲生活を送りながら息子・若松君を育てます。
若松君は後に祖父頼宗との再会を果たし、最上家を継ぐ六代目義春となります。
この物語は最上三十三観音巡礼の精神を象徴し、庶民の素朴で崇高な信仰の象徴として、現代にも語り継がれています。
最上三十三観音の概要と歴史
最上三十三観音は、山形県の村山地方と最上地方に点在する33箇所の観音菩薩を巡る霊場です。
その歴史はおよそ580年前に始まり、家族の安全や先祖供養、そして生きとし生けるものへの慈悲を祈る巡礼として、多くの人々に親しまれてきました。
観音巡礼の目的は、「二世安楽」と言われ、現世と来世の幸福を祈ることにあります。
特に最上三十三観音は、山形の自然や風景、そして地域の暮らしと深く結びついており、巡礼の中で山形の美しさや文化を堪能することができます。
また、33箇所を3回巡ると99箇所となり、節目を記念して第100番札所も設けられています。
最上三十三観音は、観音信仰とともに地域を結びつける重要な存在です。
巡礼を通じて訪れる人々は、豊かな自然に癒され、心の安らぎを得るとともに、山形の歴史と人々の優しさに触れることができるでしょう。
この霊場を訪れて、心静かに祈りの旅を体験してみてはいかがでしょうか。
巡礼の心得
最上三十三観音の巡礼では、観音様への敬意を忘れず、自然や地域との調和を意識した祈りの旅を心がけましょう。
本格的な装束でなくても構いませんが、ろうそく、線香、数珠を持参し、礼儀を大切にすることが基本です。
また、御朱印帳や「おいずり」と呼ばれる巡礼衣を準備すると、巡礼の気持ちがより高まります。
巡礼の目的は、「二世安楽」といわれる現世と来世の幸福を願うことです。
家族の安全や先祖の供養、一切衆生への慈悲の心を持ちながら札所を巡ることで、心を浄化し安らぎを得られるでしょう。
道中で多少の困難に遭うことがあっても、それは観世音菩薩の計らいと感謝して受け止めることが大切です。
さらに、巡礼路で見られる美しい自然や歴史的建造物、そして山形ならではの温泉や名物も楽しみながら旅を進めてみてください。
地元の人々との触れ合いもまた、巡礼の魅力の一つです。
参拝方法
1.霊場へ入ったら、まず水屋で口をすすぎ、手を洗う。
2.鐘楼で鐘を撞く。(自由に撞けるところのみ。参拝後は戻り鐘になるので絶対撞かない)
3.本堂向拝で所定の箱に納札、写経を納める。
4.お灯明、線香、そして賽銭をあげる。
5.ご本尊を念じ、合掌し読経。(心経、観音経、十句観音経、本尊名号、回向文など)
6.納経所で所定の納経料を支払い、納経帖、軸、おいずりなどに納経朱印をしてもらう。
7.巡拝中いやなこと、苦しいこと、くやしいこと、悲しいことなどいろいろあるが、これはすべて観世音のはからいと感じ、ひたすら合掌の気持で有難く受けること。また同行はもとより、道中いきあう人にも親切にする。
最上三十三観音の御朱印
最上三十三観音では、各札所で御朱印をいただくことができ、巡礼の旅の記念として多くの参拝者に人気があります。
御朱印は、観音様とのご縁を記録した大切な証であり、それぞれの札所が持つ特徴や個性を感じられる貴重なものです。
御朱印は通常300円でいただけますが、34箇所ある札所のうち、16箇所でのみ専用の御朱印が用意されています。
また、最上三十三観音限定の御朱印帳も1,500円で販売されており、特別感をさらに高めてくれるアイテムです。
御朱印をいただく際は、静かな心で参拝をし、観音様への感謝を忘れずにもちましょう。
「神仏とのご縁の記録」である御朱印を、丁寧に扱いながら巡礼の思い出として大切に保管してください。
最上三十三観音の御朱印は、祈りの旅をより深く感じられる素晴らしい記念品になるでしょう。
最上三十三観音の立ち寄りスポット
最上三十三観音は山形県の村山地方と最上地方に点在しているため、1日で全て巡礼することはできません。
そのため、ぜひ有数の温泉地でもある山形県の温泉宿泊地を利用してはいかがでしょうか。
おすすめのコースで記述した温泉地について説明していきます!
上山温泉
老舗の温泉宿も複数あり、一流のおもてなしをを受けることができます。
保温、保湿効果の高い、健康・美肌の湯とも言われています。
天童温泉
近代的なホテルから純和風旅館まで点在し、多様な宿泊スタイルに対応しています。
温泉地としても有名で、美人の湯と呼ばれる名湯と絶品料理を満喫できる宿がたくさんあります。
東根温泉
入浴することにより、皮膚に塩分が付着し、汗の蒸発を防ぐため、保温効果がよく、湯冷めしにくい事から「熱の湯(あたたまりの湯)」と言われています。
夕暮れ時には、暖かな宿の明かり温泉街のネオンが輝き始め、ノスタルジックな気持ちにさせてくれます。
銀山温泉
大正浪漫の郷愁を感じる町並みの温泉街が広がります。
四季折々に、朝に夕にと表情を変える美しい自然環境が銀山温泉にあります。
国内外に人気があり、多くの観光客が絶えません。
赤倉温泉
赤倉温泉はすべての旅館が個別に豊富な湧出量の自家源泉を持っている、山形県内でも類を見ないお湯自慢の温泉地です。
赤倉温泉からは妙高山を見上げることができます。
季節に応じた様々な顔を持っている妙高高原の景色を満喫できます。
瀬見温泉
小国川の左岸に開けた静かなたたずまいの温泉です。
源頼朝の追手を逃れて平泉をめざしていた義経一行が発見したいう伝説が語り継がれています。
また瀬見温泉には、美人の湯、夢の湯、長寿の湯の3つの源泉があります。
最上三十三観音トリップで、温泉に浸かり、美肌になれるかもしれないですね!
まとめ
最上三十三観音は、山形の豊かな自然と歴史が息づく巡礼の旅を提供してくれます。
一つ一つの札所には、それぞれの個性や物語があり、訪れるたびに新たな発見があります。
この記事では、最上三十三観音の巡礼コースや、由来、巡礼の心得など、初心者の方でもわかりやすいように詳しくご紹介しました。
御朱印は観音様とのご縁を記録する特別なものです。
各札所でいただける御朱印を集めることで、巡礼の旅がより深い思い出となるでしょう。
また、立ち寄りスポットやおすすめコースを参考にしながら計画を立てることで、無理なく山形の魅力を堪能できる旅を楽しめます。
最上三十三観音は、祈りや癒しだけでなく、山形の文化や人々との触れ合いを感じられる場所でもあります。
ぜひこの記事をきっかけに、最上三十三観音の巡礼に足を運び、その魅力を体験してみてください。
心に残る素敵な旅があなたを待っています。
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